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皆さんは、自分の言葉が通じない外国でひとり生活をしたことがありますか?言葉ができないということは、仕事を探したり、働いたりする上ではもちろんのこと、買い物をしたり友達を作ったり、何をするにしても大変なことです。
こうした問題を抱えながら、ここ日本で暮らしている人たちを支援する活動のひとつに、ボランティアによる日本語教室があります。
日本語を専門的に勉強したい人のためには、公的機関や民間学校による日本語教育が存在します。それでは、ボランティアとしての日本語クラスにはどのような意味があるのでしょうか。
それは一言でいえば「家族的なあたたかさを提供できること」だと思います。日本語クラスには実にさまざまな人たちがやってきます。その人たちに単なる語学としての日本語を教え込むのではなく、一人ひとりのニーズに合わせたきめ細やかな対応をし、時には相談者、また時には友だちとなって、彼らが日本での生活に慣れ、解けこんでいく手助けをすること、それこそがボランティア日本語クラスの役目なのです。
それでは、日本語を教えるということは誰にでもできることなのでしょうか。これは、100メートルを走ることができるすべての人が100メートル走のコーチになれるわけではないことと同じです。「できること」と「教えられること」は別
なのです。国語の授業を思い出す人もいるかもしれませんが、「国語」は日本語をすでに聞き話すことができる日本人に、そのより良い使い方を教える科目ですから、日本語教育とは全くといっていいほど違っています。日本語を母語としない人にとって、日本語は「外国語」なのですから、その点では「英語」の授業の方が近いといえます。ただ、ボランティアの日本語クラスに来る人たちは、すでに日本に住んでいて、日々日本語に囲まれた暮らしをしている訳ですから、その状況に合わせた実践的な(つまりすぐに使える)日本語を指導していくことが必要です。
日本語学習者の増加に伴い、日本語教授法について書かれた本や教材も実に多くなりました。
書店の外国語コーナーに行けば、たいてい日本語の教科書がありますし、その隣にはさまざまな教材や絵カード、文法解説書が置いてあります。このような本を使って自分で勉強するのもひとつの方法ですが、もう少しきちんと教え方を勉強したいという方のためには、「日本語教授法養成講座」というものもあります。
なお、当協会のインターナショナルライブラリーにも、日本語教育関係の本や教材が揃えてありますのでぜひご活用ください。(貸出し可)
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日本語ボランティアとして活動するための資格や条件は特にありませんが、日本語教育に関する知識や訓練は必要です。
ここでは、日本語教授法を学習する機会についてご紹介します。 |
1.ボランティア日本語教室や市町村等が実施する日本語教授法講座を受講する。 |
日本語ボランティアのニーズは高まっており、県内のボランティア日本語教室や各市町村(国際交流協会等)で日本語教授法講座を開講する場合があります。新しいメンバーを募って初級講座を実施することもありますので、初めての方にとって一番身近で、実践しやすい方法だと思います。
当協会では、講座を希望する団体に講師を派遣する「茨城県日本語教育アドバイザー派遣事業」を行っています。 |
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2.通信教育等で日本語教授法養成講座を受講する。 |
通信講座を受けたり、学校に通って日本語の基礎理論から教授法までを学習します。通常,日本語を教えられるようになるには,420時間のカリキュラム学習が必要と言われており,一般的な「日本語教師の資格」の条件にも,この420時間が挙げられています。 |
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3.大学や大学院で日本語教育を学ぶ。 |
専門として日本語を学びたい方は、大学の主専攻や副専攻で日本語教育、日本語学、言語学等を習得することも一つの方法でしょう。 |
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4.日本語教育能力検定試験にチャレンジする。 |
現在、日本語教師になるための国家試験や公的資格はありませんが、年に一度、日本語教育の専門家として必要とされる基礎的水準に達しているかどうかを検定する「日本語教育能力検定試験」が実施されています。
ボランティアから始まった方でも、将来的な目標としてこの検定を目指してみてはいかがでしょうか。 |
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当協会のインターナショナルライブラリーでは、日本語教育関係の各種教科書、指導書、教材の他、日本語教師のための雑誌『月刊日本語』や日本語学習者のための『日本語ジャーナル』などの収集、閲覧、貸し出しを行なっています。
また、下の各ホームページには、日本語教育についての幅広い情報が掲載されています。 |
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●文化庁
●大学共同利用機関法人人間文化研究機構
●(社)国際日本語普及協会
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